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横田 裕一郎; 鹿園 直哉; 田中 淳; 長谷 純宏; 舟山 知夫; 和田 成一; 井上 雅好*
Radiation Research, 163(5), p.520 - 525, 2005/05
被引用回数:20 パーセンタイル:48.84(Biology)一般的に高等植物は哺乳動物よりも放射線に強い。高等植物の放射線耐性機構を探索するために、タバコBY-2細胞及びその対照としてチャイニーズハムスターCHO-K1細胞に線を照射し、パルスフィールドゲル電気泳動法によりDNA2本鎖切断(DSB)を定量した。タバコBY-2細胞におけるDSB生成量(2.00.1DSBs GbpGy)はCHO-K1細胞のわずか1/3であり、一方で、平均致死線量の線照射による細胞あたりのDSB生成量は、タバコBY-2細胞(263.213.2)ではCHO-K1細胞より5倍多かった。これらの結果は、タバコBY-2細胞で認められた放射線耐性の原因として、DNA損傷が少ないばかりでなく、DNA損傷が効果的に修復されることを示唆している。
小林 泰彦
放射線生物研究, 37(1), p.67 - 84, 2002/03
マイクロビームによる局部照射は、放射線の生物作用研究のための新しいツールとして極めて有望である。原研・高崎研では、銀河宇宙線のような極低フルエンス高LET重粒子線の生物影響の解明、特にトラック構造の局所的エネルギー付与分布による影響をダイレクトに解析することを目指して、サイクロトロンから得られる比較的高エネルギーの重イオンを用いたマイクロビーム細胞照射実験系の開発に取り組んでおり、最近、ArイオンやNeイオンによるCHO-K1細胞の核への照射実験を開始した。マイクロビームによる細胞局部照射実験について、過去の数々の試みの歴史を紹介するとともに、特に粒子線マイクロビームを用いた最新の研究状況について述べる。